■　専門分野

・ 教師学、教師教育学
　　-教師の専門性
　　-教師の成長
　　-教員養成
　　-教師の研究力

・ 学校経営、組織論
　　-教師の力量発揮と成長を支え促す組織
　　-教師の集団での学習
　　-教員評価と教師の成長

■　研究関心

教師の成長を促進する要因と、それを支援できる方策とはなにか

（問題意識）

次の時代の社会を創る子どもたちの育成。

そこに携わる教師に求められる専門性とは何か？
その専門性はいかにして育まれ洗練されていくのか？

また、
学びと成長の主役である子ども・学習者が、
本当の意味で学びの主役になれるとはどういうことなのか。

そこにいる教師とは、どのような存在であり得るのか。

私の研究上の関心の中心は、
「教師とは、どのような存在なのか」
「教師は、どのように成長していくのか」
「教師の成長は、何によって支えられ促されるのか」
「それを支援できる方策とはなにか」
にあります。

そして、教育上では、
そのような将来の教師は、
教員養成段階においてどのような経験・学習を経て育っていくのかを実践的に追究しています。

■　追究している問い

1：教師とはどのような存在で、いかにして教師になっていくのか？

教師に求められる力量、使命感には、どんな特徴があるのか。
教師とは、どのように成長していくのか。
教師を目指す者、教職に就いている者には、どのような学びが求められるのか。
　

2：教師の成長にはどのような特徴があり、それを支え促す組織とは？

教師の成長は、いかなる要因によって促進されるのか。
教師が働きやすく、力を発揮しやすいのは、どのような状況・環境下か。

それらを実現する学校組織のあり方はどのようなものか。
学校におけるリーダー、ミドルリーダーはどのような役割を果たすべきか。
教師が学び合える校内研修、授業研究にはどのような条件が求められるか。

3：子どもが主役となる授業・学級・学校づくりはいかにして実現するか？

本当の意味での「子ども理解」とはどういう営みか。
子どもが主役となる授業は教師のどのような専門性のもとで実現しているか。
児童生徒自身による学級・学校づくりとはどのような営みであり、そこで教師が果たす役割とはどのようなものか。

■　校内研究支援

教師が学び合える校内研究の企画・運営を支援しています

日本の学校の教師には、
従来から、学校外の自主的研究サークルでの研鑽や、
学校を基盤とした校内研究・授業研究等において、
力量を高めてきた文化があります。

一方で、
授業研究が授業者の課題や力量のみを追求する指導の場になってしまったり、
当たり障りのないやりとりに終始し、形式化してしまったり、
事前準備等の負担が大きすぎて忌避されたりする傾向があることも事実です。

近年、
授業研究や校内研究を、
教師同士が互いに学び合い、省察を深める機会として実施する方法が探究されています。

校内研究を、
専門職としての教師の成長にとって重要な学びの機会として位置づけ、
常に学び続け成長し続ける学校文化を築きたいと努力している学校の取り組みを、
協働研究者として支援しています。

具体的には、これまでに以下のような活動・支援に携わってきました。

・管理職、研修係との校内研究の企画・運営相談
・授業研究への外部専門家としての参加・協働参画
・授業研究、授業検討会（協議会）のファシリテート
・教師が学び合える校内研究・授業研究の要点についてのレクチャー・講習
・教師の成長・職能成長に関する専門的知見の講習

また、
これらの校内研究支援は、
私の調査・研究へのご協力という形や、
学生の協働参加という形での学びの機会の提供のお願いを致しますので、
原則として講師料等はいただいておりません。

各学校の状況に応じて、
可能なかぎり先生方にとって負担の少ない形で、
充実感を感じることのできる校内研究の企画・運営方法を、
共に開発していく活動を行っています。

■　ゼミの特徴

高谷ゼミでは、
ゼミ生自身で自分たちの学びを創りあげていくことを大切にしています。

そのため、
学びを共に創りあげるにはどうすればよいか、研究とは何か、研究論文とはどのように書くのかなどについて、演習も交えて最初に詳しくレクチャーします。

ですので、
高谷ゼミへの所属にあたって、
これまでの関心や専門分野の違い、
研究経験・力量の有無について心配は無用です。

3年生は、「卒業論文を真剣に書きたい！」
大学院生は、「こんな研究に取り組んでみたい！」といった、
強い意志と熱意を持った人を大いに歓迎します。

具体的には、
教育学（特に教師学や学校教育学）の専門書や論文を講読し、
ゼミ生同士で内容を分析し、
自身の考えを論理的に述べあう訓練をします。

これらのプロセスを経て、
「研究的思考能力」を獲得してもらうことが、
私の指導方針の主軸です。

この力は、
卒業論文や修士論文を書くためだけでなく、
自律的な専門家としての教師になるためにも、
これからの社会でより良く生きていくためにも、
不可欠となる重要な力だと思っています。

卒業論文、修士論文ともに、
自身の研究は自分の力で進めて行くことが大切ですが、
ゼミを通して他のメンバーと共に学び合いながら進めていく力の獲得も大切にします。

さらに、
高谷ゼミでは、さまざまな交流や学びの機会を創出することも大切にしています。

他大学との研究交流や、学会への参加。
様々な職種で活躍されている社会人の方々との交流。
小中高等学校の授業研究や様々な研修機会への参加。
私自身の調査研究や出張に同行しての徒弟的な学びまで。
多様な経験・学びの機会を大切にしています。

それらはすべて強制ではなく希望する人のみの自由参加です。

様々な学びや経験の場を、
自分で成長の機会とすることのできる力の育成を目指しています。

■　指導計画

私のゼミでは、
3年生、大学院生ともに、
以下のステップを経て自身の研究に着手していってもらいます。

最初に、
教育学分野の研究論文を題材に、
「教育学研究とは何か」「論文とはどのように書くのか」を学んでもらいます。

同時に、
教師論や学校論に関する専門書をゼミで講読していきます。

教師や学校教育をめぐるいくつかのテーマについて、
世の中にあふれている各種の主張を批判的に分析し、
自身の考えを論理的に述べるとともに、
問題の本質を見い出す訓練をします。

その後、
自身の研究テーマについて焦点化を進めて行きます。

まずは関心のある事柄を洗い出し、
それらの基本的な研究知見や問題の現状を調べることを通して、
論点を整理し、仮説や調査課題を設定していく手順を学びます。

論文とは何か、
研究とはどのように進めて行き、執筆していくのか、
他のゼミ生と共に議論し、学びあいながら進んでいきます。

■　ゼミの運営

所属研究室は、
例年3年生の6〜7月ごろに選択・決定します。

2019年度私の研究室には、
4年生6名、
3年生5名が所属していました。

2020年度は、
大学院生2名、
4年生5名でスタートしています。

3年生は、
7月に所属研究室を決定し、
後期に卒業論文演習を受講してもらいます。

科目としての卒業論文演習が終了した2月以降は、
自分たちで今後のゼミの運営方法を企画してもらいます。

大学院生には、
入学と同時にゼミに参加してもらいます。

ゼミの方針・雰囲気を知ってもらうとともに、
4年生と交流する機会としています。

時には、
他のゼミや他専修の学生との合同や、
3年生・4年生・大学院生合同でのゼミを行うこともあります。

ゼミの運営は、
みなさんに自律的に進めていってもらうことを期待します。

卒論検討会、合宿、その他イベントなど、
自由に企画してもらって結構です。

私の方からは、
実際に学校現場へ足を運び、校内研修・授業研究に参加するお誘いや、
私の調査・研究や現職の先生との研究会や交流の場へ一緒に参加するお誘いをします。

もちろん参加は一切強制しません。
教育現場に足を運ぶことを通して学びたい、研究したい人は、
そのような機会を大いに活用してもらえればと思います。

みなさん自身で、
みなさんにとって有意義なゼミでの学びにしてもらうことが私の願いです。
　

■　所属相談

上記の「研究関心」「追究している問い」にも記載したように、
私の研究上の関心の中心は、
「教師とは、どのように成長していくか」
「それを支援できる方策とはなにか」にあります。

つまり、
「教師のあり方」や授業という世界、
「学校のあり方」等に関心の中心がある人は、
私の研究関心に近いと思います。

3年生のみなさんは、
まだ研究テーマが見定まっておらず、
研究室に所属してから研究テーマを決めていくことになりますので、
研究内容よりも、指導方針やゼミの様子を参考に検討すると良いでしょう。

自身の関心が私の研究関心と異なる人の参加も歓迎します。
私もみなさんの研究を通していろいろと学んでいきたいと思っています。
一緒に議論・研究していきましょう。

大学院で当研究室への所属を希望の方は、
当サイトの情報を参考に検討の後、
一度ご連絡のうえ研究室へお越しください。

学部生のみなさんも、
大学院入学・進学の方も、
研究室への相談訪問は、いつでも気軽にどうぞ。